【法改正】老齢厚生年金の障害特例がさかのぼって受給できる? その2
法改正の内容を知る前に、現在の「老齢厚生年金の障害者特例」のしくみについて、ご説明します。
平成26年度現在、老齢厚生年金が受給できる年齢は男性で61歳から、女性で60才からとなっています(年金制度に25年以上加入して、そのうち、厚生年金に最低1年以上加入していることが条件)。 65歳になるまで受給できる老齢厚生年金は「報酬比例部分」のみですが、「障害者特例」に該当する方は「定額部分」が支給され、配偶者や子ども(高校生以下)がいる場合には条件により加給年金が加算され、「報酬比例部分」の倍以上の年金を受け取れる方もいらっしゃいます。
<障害者特例の条件>
1. 障害等級の1級から3級に該当していること
2. 会社を退職していること(厚生年金に加入していなければ、パート等OK)
3. 60歳から65歳未満のあいだに受給資格を満たしていること 障害年金が請求できなかった方でも、障害特例に該当する場合がありますので、 詳しいことは障害ねんきん相談室にご相談ください。
(次回に続く)
【法改正】老齢厚生年金の障害特例がさかのぼって受給できる? その1
前回に引き続き「年金機能強化法」の法改正について、お知らせいたします。老齢厚生年金の障害特例に該当する方の支給開始時期が見直されたことにより、老齢厚生年金の一部がさかのぼって受給できる場合があります。
まず、改正前の制度の概要についてご説明し、順次法改正後の内容にいついてお知らせいたします。
(次回に続く)
【法改正】障害が急に重くなったら年金額の改定請求を その6
前回触れました診断書を提出し審査をしてもらえるケースには、「精神の障害」が含まれていません。 「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」、「気分(感情)障害」、「症状性を含む器質性精神障害(高次脳機能障害を含む)」、「てんかん」、「知的障害」、及び「発達障害」は、1年以内に急性憎悪する疾病ではないため、対象とすることがふさわしくないと考えられているからです。 これについては精神障害で障害年金を請求しようという方にとっては、落胆することかもしれません。しかし、逆に考えると初回の申請は非常に重要だということです。 障害年金は、多くの条件につき多数の書類をもとに審査されるので、書類の揃え方ひとつで年金額や年金の受給が左右されるケースが多いといえます。「障害ねんきん相談室」では、精神の障害の初回の申請についてはこの点に特に注意を払って代理請求をしております。
【法改正】障害が急に重くなったら年金額の改定請求を その5
診断書を提出して、審査をしてもらえるとする対象は、傷病名別ではなく、増進した障害の状態で判断されます。具体的には、以下の22項目です。
① 両眼の視力の和が0.04以下となった場合
② 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下となった場合
③ 両眼の視野がそれぞれ5度以内となった場合
④ 両眼の視野がそれぞれ中心10度以内におさまるもので、 かつ、10度以内の8方向の残存視野の角度の合計が56度以内となった場合
⑤ 両耳の聴力レベルが100デジベル以上になった場合
⑥ 両耳の聴力が90デジベル以上になった場合
⑦ 喉頭全摘出手術を施した場合
⑧ 両上肢のすべての指を欠いた場合
⑨ 両下肢を足関節以上で欠いた場合
⑩ 両上肢の親指および人差し指または中指を欠いた場合
⑪ 一上肢のすべての指を欠いた場合
⑫ 両下肢のすべての指を欠いた場合
⑬ 一下肢を足関節以上で欠いた場合
⑭ 四肢又は指の麻痺(完全麻痺に限る)(脳血管障害又は脊髄の器質障害については6か月以上継続した場合に限る)
⑮ 心臓移植又は人工心臓(補助人工心臓を含む)の使用
⑯ CRT(心臓再同期医療機器)又はCRT‐D(除細動器機能付き心臓再同期医療機器)を装着した場合
⑰ 人工透析療法の施行(3か月以上継続した場合に限る)
⑱ 人工肛門を造設し、かつ、新膀胱を造設した場合(人工肛門については6か月以上継続した場合に限る)
⑲ 人工肛門を造設し、かつ、尿路変更術を施した場合(6か月以上継続した場合に限る)
⑳ 人工肛門を造設し、かつ、完全排尿障害状態(カテーテル留置又は自己導尿の常時施行を必要とする場合)にある場合(6か月以上継続した場合に限る)
21 脳死状態又は遷延性植物状態になった場合(遷延性植物状態については3か月以上継続した場合に限る)
22 人工呼吸器の装着(一か月以上常時継続した場合に限る) 現在障害年金を受給中で、上記に該当する方は1年を待たずに額の改定請求できる可能性が出てきます。詳しいことは障害ねんきん相談室にご相談ください。
【法改正】障害が急に重くなったら年金額の改定請求を その4
前回、障害年金の額の改定請求については、1年を待たないと申請ができないとお話ししました。
今回の法改正である「年金機能強化法」では、「障害の程度が増進したことが明らかである場合」については 診断書を提出して、審査をしてもらえることとされました。
では、障害の程度が増進したことが明らかである場合とはどんな場合なのでしょう。報告書には障害の状態の対象として22の項目が挙げられました。
次回はその22項目についてお知らせしていきます。
【法改正】障害が急に重くなったら年金額の改定請求を その3
(前回から引き続きます。)
しかし、急激に障害の状態が悪化する場合もあります。このような場合は年金を受け取る人からの申請により診断書を提出し審査をしてもらえる制度があります。
ただし、現在の法律では短期間のうちに障害の程度が変更したといって何度も請求を行うことはできません。受給権を取得した日または障害の程度の審査を受けた日から1年を待たないと、請求ができないことになっています。
これを「障害年金の額改定請求」といいます。
社会保険労務士による「年金教室」を開催しました!
3月7日、足立区立栗島中学校で行われた「年金教室」が、足立ケーブルテレビの番組『トピためっ!』で放送されました。私が社会保険労務士として講師を勤めました。番組では生徒がプロジェクターを使った講義を受ける様子が放映され、社会保険労務士の仕事の内容なども紹介されました。 東京都社会保険労務士会・足立荒川支部では児童・生徒・学生を対象に、年金制度をわかりやすく伝える「年金教室」を実施しています。学校関係者のみなさまはぜひご利用下さい。詳しくはホームページの左側にあるメニュー 「教育機関のお客様へ~年金の出前授業~」からどうぞ。
【法改正】障害が急に重くなったら年金額の改定請求を その2
改正法である「年金機能強化法」を知る前に、現在の「障害年金の額改定請求」のしくみについてみていきたいと思います。
障害年金は一度決定されても、その障害の程度がさらに悪くなる場合もあります。そのため通常は2年に一度、5年に一度というように数年単位で診断書を提出し、障害の進行の程度について診断を受け診断書を年金機構に提出することになっています。
この診断書をもとに年金機構が改めて障害の状態を審査し、さらに増進した場合には、3級から2級へ、2級から1級へ障害等級が上がり年金額も増える仕組みになっています。
(次回に続く。)
【法改正】障害が急に重くなったら年金額の改定請求を その1
「年金機能強化法」が平成24年8月に成立しました。この法律では、年金の「額改定請求の待機期間の緩和」の内容が盛り込まれています。平成26年4月から実施されます。
障害年金を請求してみようとお考えの方や、すでに受給していらっしゃる方が知らないと損をしてしまうことがあります。
昨年12月24日に公表された、検討会の報告書から具体的な内容を検討して、順次お知らせいたします。
ハンガリーと社会保障協定が結ばれました
平成26年1月1日に日本とハンガリーの社会保障協定が発効されました。この協定によりハンガリーで働く際に両国の年金の保険料を二重に納付する必要がなくなります。また、
日本の年金の受給資格の有無を判定する際に、ハンガリーの年金に加入していた期間を加えることができるようになります。ハンガリーの受給資格期間は15年です。両方の資格を満たせば、将来両方から保険料に見合う年金が双方から受給することができます。